生成AI業務活用講座#1
〜AIを安心して業務に取り入れるために〜
近年、AIに関するニュースや記事は毎日のように世の中を賑わせています。新聞やテレビでは「AI社長」「AI上司」「AI部下」といった話題が紹介され、業務自動化やリサーチにAIを活用する事例が急速に広がっています。
一方で、失敗事例やリスクの報告も見られます。
たとえばある食品メーカーでは、人事考課の精度を上げる目的で社内の様々な管理情報をAIに登録させましたが、現場の入力負担が増えて業務が煩雑化し、結局うまく運用に乗りませんでした。また、あるITベンダーではAIを活用した人事考課の評価項目が「ブラックボックス」だと社員に訴えられ、裁判で評価基準の開示を迫られるという事態に発展しました。
このように、生成AIの業務活用には大きな可能性と同時に、導入の工夫やリスク対策が不可欠です。本講座では特に多くの方が抱く「AIに業務情報を入れると漏洩しないか?」という不安をテーマに、安心してAIを活用する方法をお伝えします。
AIを業務に活用する際、最も多く寄せられる質問は次の3点です。
これらはもっともな不安です。もしも入力した情報が外部の誰かに漏れてしまったら、顧客情報や機密情報が流出し、企業の信用を大きく損なう恐れがあります。 しかし、安心してください。現在ビジネス向けに提供されているMicrosoft Copilotを活用すれば、このリスクは技術的にも運用的にも十分コントロールできます。
1. 商用データ保護(Commercial Data Protection)
Microsoft Copilotに入力した情報は、基盤モデルの再学習には使われません。つまり、あなたの会社のデータが勝手にAIの「知識」として外部に流用されることはありません。
2. テナント境界を越えない
Copilotは既存のMicrosoft 365の権限設定をそのまま適用します。つまり、アクセス権限を持つ人だけがAIの支援でデータを参照でき、権限外の社員や外部の人に漏れることはありません。
3. 暗号化通信・保存
Copilotでの通信や保存はTLS1.2以上の暗号化、ストレージはBitLockerによる暗号化が可能。盗み見や不正アクセスからデータを守ります。
4. ログ管理・監査
利用状況はMicrosoft Purviewで追跡可能。誰が、いつ、どんな情報にAIを使ったのかを監査できるため、不正利用や操作ミスがあっても後から検証できます。 これらの仕組みにより、「社内データを丸ごと外に送るのではないか?」という不安は払拭できます。
生成AIが持つ知識は大きく分けて二層に整理できます。 基盤モデル(一般知識) 世界中の公開情報をもとに事前学習された知識。すべてのユーザーが共通で使える。 テナント固有データ 自社のファイル、メール、Teamsチャットなど。これは再学習されず、他社に反映されることはない。 つまり、Copilotを使って自社データをAIに参照させても、その情報は「自社専用の一時的利用」にとどまります。他社に流れることはありません。
いくら技術的に安全でも、運用の仕組みが不十分だと事故は起こりえます。そこで、次のようなルールを設けると安心です。 入力禁止情報を明確化 顧客氏名・住所・契約番号などはAIに直接入力しない。 機密ラベル設定(Purview) ドキュメントやメールにラベルを付与し、利用範囲を自動で制御。 最小権限の原則 必要な人だけが必要なデータにアクセスできるよう徹底。 検証用テナントでの事前テスト 本番環境に導入する前に、テスト環境で動作と安全性を確認。 AI利用ポリシーの策定と社員教育 「どこまで入力していいか」「どんな使い方が望ましいか」をルール化し、全社員に教育。 こうした運用ルールを組み合わせれば、技術面・人の運用面の両面からリスクを最小化できます。
イースト株式会社では、Copilotを活用して具体的な業務改善をご提案しています。
これらはすべて、社外にデータを漏らさずにAIを活用できる仕組みです。
AI導入は一気に進めるのではなく、段階的に「安全を確認しながら」行うのがポイントです。
準備(N月)
利用範囲の整理、入力禁止情報の明確化。
検証(N+1〜N+2月)
テスト環境で業務シナリオを確認。
導入(N+3月)
本番環境でパイロット利用開始。
展開(N+4〜N+6月)
全社展開、教育、監査の定着。
イースト株式会社では、月額8万円から導入支援サービスを提供しており、設定・教育・問合せサポートまで一貫して対応可能です。
生成AIは正しく導入すれば「怖い存在」ではなく、業務を支える強力なパートナーになります。むしろ、導入を先送りすることが競争力の低下につながりかねません。 ぜひ、自社でも安全性を確認しつつ、生成AIを前向きに活用してみてください。
なお、生成AI「Copilot」を有効活用することで日々の業務がはかどるようになった人の事例は、以下に掲載しております。
Copilotを使った一日 ~「業務が早くなる」の正体は、検索ではなく“思考の補助”だった
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