ITエンジニアの単価は、ここ数年で明確に「上がり続ける相場」へと移行しました。インフレ、円安、DX需要の急拡大──複数の要因が同時に進行したことで、企業のIT投資はこれまで以上に難易度を増しています。
一方で、DXを止めることはできません。
だからこそ今、求められているのは「予算を増やすこと」ではなく、「投資を最適化すること」です。
本記事では、ITエンジニア単価が上昇し続ける背景を整理したうえで、インフレ環境下でも成果につながるIT投資の考え方を解説します。
あわせて、近年注目を集める「市民開発(Citizen Development)」が、なぜ新たな選択肢として浮上しているのかも紹介します。
ITエンジニア単価の上昇は、一時的な需給バランスの問題ではありません。複数の構造的要因が重なり、相場全体を押し上げています。
要因① DX需要の急拡大とレガシーシステム問題
最大の要因は、DX需要の急拡大です。「2025年の崖」に象徴されるように、日本企業では老朽化した基幹システムの刷新が避けられない状況となり、DX投資が一気に加速しました。特に、COBOLなどのレガシー言語で構築された基幹システムでは、保守・運用を担えるエンジニアの高齢化と大量退職が進んでいます。その結果、「新規開発以前に、現行システムを維持するだけで高コスト」という状況が生まれています。さらに、クラウド、データ活用、AI、セキュリティといった分野では高度な専門性が求められ、人材供給が需要に追いついていません。DX需要増と人材不足が同時進行した結果、エンジニア単価は構造的に上昇しています。
要因② 人口動態と労働市場の変化
少子化による労働人口の減少も、単価上昇を後押ししています。リスキリング政策は進んでいるものの、育成スピードは需要に追いついていません。加えて転職市場の活性化により、経験者の奪い合いが常態化しています。この環境下では、単価に上昇圧力がかかり続けるのは必然と言えるでしょう。
要因③ グローバル人材市場との競争
リモートワークの普及により、海外企業が日本のエンジニアを直接採用するケースも増えています。報酬水準の高いグローバル市場に引き寄せられる形で、国内の単価相場も上昇しています。
要因④ インフレ・円安によるコスト構造の変化
生活コストの上昇は、エンジニアの報酬要求に直結します。さらに円安の影響で、SaaSやクラウド、外部サービスの価格も上昇し、ITコスト全体が押し上げられています。
単価が上がる中でも、企業はIT投資を止めることができません。だからこそ、「どこに投資し、どこを効率化するか」の判断がこれまで以上に重要になります。
ポイント① “攻め”と“守り”の投資を切り分ける
すべてのIT投資を同列に扱うと、優先順位がブレます。まずは以下の2軸で整理することが重要です。
「攻めの投資」とは、売上や顧客体験、競争力に直結する領域を指します。これに対し、「守りの投資」は、セキュリティや老朽化システムの更新など、事業継続に不可欠な領域です。この切り分けができるだけで、IT投資の優先度の判断精度が格段に高まります。
ポイント② ベンダー選定時の注意点
ITベンダーの選定は、「安ければよい」というものではありません。価格は確かに1つの評価基準ではありますが、導入したシステムが経営目標の達成に貢献しないのであれば、そのIT投資は意味がないからです。スピード、品質、提案力、コミュニケーションなどを総合的に評価することで、結果的にコストパフォーマンスが高まるケースは多くあります。逆に、コスト削減を優先しすぎて機能を削り、成果が出ないという失敗も多く見られます。
ポイント③ 第三の選択肢としての「市民開発」
ローコード・ノーコードツールの普及により、業務部門自らがアプリを作る「市民開発」が、内製・外注に次ぐ第三の選択肢として注目されています。市民開発は、適切に活用すればIT投資効率を高める有効な手段です。
一方で、権限管理や運用ルール、データ連携が整っていない場合、IT負債になるリスクもあります。そのため、全社的な設計とガバナンスを前提に導入することが重要です。
エンジニア単価の上昇は構造的な問題であり、短期的に収まるものではありません。だからこそ、IT投資を優先順位付けし、ベンダーマネジメントを工夫し、内製・外注・市民開発の最適なバランスを模索することが求められています。
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ERP刷新を真のDXの起点に変えるためには、多くのことを準備しなければなりません。データ活用戦略の設計、Power Platformを含むクラウド・AI・自動化との連携、システム更改を契機とする業務プロセスの見直し、ITやAIに親和性の高い組織カルチャーへの変化。こうしたご相談に対し、当社は伴走型で支援いたします。もちろん、Microsoft Power Platformの導入や、市民開発を推進していく中で見えた課題の解決などについても支援いたします。
ERP刷新は重要な一歩ですが、それ自体はDXではありません。DXは、テクノロジーで業務を効率化することに留まらず、顧客価値・事業モデル・意思決定を作り替える取り組みです。
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筆者:W.S.
ITガバナンスおよび市民開発推進を得意領域とするコンサルタント。中堅〜大手企業のIT統制設計・DX推進支援に従事。個人開発者としてJavaScriptおよびFirebaseを用いたWebアプリ開発にも取り組み、開発現場と統治設計の両面からDXを研究している。同志社大学大学院経済学研究科博士後期課程修了単位取得退学。
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